2022年03月11日

　パリ市内の公立小学校に通う娘（８つ）が先日、「学校ですごくはやっている遊びがある。ＣＯＶＩＤ（新型コロナウイルス）っていうの」と教えてくれた。

　聞くと、ルールは鬼ごっこの改造版。鬼（ウイルス）にタッチされた人は感染して鬼になり、最後まで感染しなかった人が勝つ仕組みだ。かねて昼休みの遊びとして人気があったが、後にあるルールが追加されたという。追い込まれた児童が「バクシネ（ワクチン接種済み）」と叫ぶと、鬼のタッチが無効になる。３回まで使えるそうだ。

　だが、今月になって娘がこの遊びをする機会も減ってきた。オミクロン株が猛威を振るうフランスでは、学校が主要な感染源として定着。娘のクラスでも同級生や担任教諭の感染が相次ぎ、連日のように途中下校や学級閉鎖を強いられている。

　このままでは娘の感染も時間の問題かと思い、先月下旬から解禁された小児用ワクチンを接種させることにした。注射が嫌いで今までは打つたびに泣いていた娘に「ワクチンを打ちに行こうか」と誘ったところ、「大事だもんね」と意外な反応。ＣＯＶＩＤゲームを考案した児童に感謝しなくては。　（谷悠己）