2019年06月20日
おがくずを敷き詰めたプラスチックの容器が店頭に置かれ、20匹ほどのハムスターの赤ちゃんがモフモフと身を寄せ合っている。かわいらしい姿に思わず値段を聞くと、「1匹5元(約80円)」と返ってきた。肉まん1つ分ぐらいの値段だ。
自宅から歩いて10分ほどの場所に花市場があり、切り花や盆栽、園芸用品のほか、コイや金魚、小動物なども扱っている。ハムスターはカメやカエル、ザリガニ、ウサギなどと並べて売られていた。ついでにウサギの値段を店員に尋ねると、「普通のウサギ」は20元、「オランダウサギ」は50元だった。
家に帰ってからインターネットで調べたところ、日本ではハムスターは1匹1000~3000円が相場という。ものによっては東京よりもかなり物価が高い北京で、ハムスターは10分の1以下。少し心が揺れたが、安くても飼う手間は同じと考え直した。
実はこの花市場は4月末から1年間、改修工事のために閉鎖される。店の人たちにその間どうするのか聞くと、「決めてない」「故郷に帰る」「休む」などと返ってきた。1匹5元のハムスターたちはどうなるのだろうか。 (中沢穣)