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マニラ この傷痕癒えるのか

2022年07月13日

 喧噪(けんそう)と熱気と聞いて喜び勇んだ夜の繁華街だったが、ほの暗く、息苦しさも感じた。初めて訪れたマニラ市街地。「貸店舗」と張り紙された店が目立ち、人影はまばら。通りの食堂の店主は「ようやく再開できたが、以前のように戻るのか、もう戻らないのか」と苦笑した。

 東南アジア各国では、新型コロナウイルス禍以前の姿を取り戻そうと、まっしぐらだ。フィリピンは入国隔離撤廃などにひと足早く舵(かじ)を切ったが、依然として2年余の傷痕は深い。街のあちこちで求人の行列が目についた。数字上、失業率は改善しているというが、店主は「抜け出すきっかけを失い、路上生活者も増えた」と実感を込めた。

 9日投票の同国大統領選では、人々が鬱憤(うっぷん)を吐き出し、希望にすがろうとしているようだった。大集会は派手なイベントさながらで、街中の街宣もパフォーマンスが随所に。もともと勝負事を好む国民性といい、各陣営のイメージ戦略も過熱。

 「彼なら必ず暮らしをよくしてくれる。彼だけだ」。具体的な政策など語らない有力候補の集会で、笑顔で、期待をまくしたててくれた若者の言葉が耳に残った。 (岩崎健太朗)

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