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米ベセスダ 現地校のおおらかさ

2022年07月12日

 仕事を終え、ワシントン郊外のベセスダにある自宅に戻ると、小学4年の長男が駆け寄ってきた。「今日ね、アダムとソロモンと同じチームになって3点決めたんだ」。長男が現地校に編入して2週間余り。言葉も分からないのに初日から黒人や白人の子と友だちになり、休み時間のサッカーを楽しみに毎日通っている。あまりのなじみぶりは、こちらが戸惑うほどだ。

 渡米前は小学校を休みがちだった。新型コロナウイルスの影響による一斉休校の後、学校に行こうとすると足がすくんでしまう。「本当は学校に行きたいのに」。ベッドにうずくまり、ぽろぽろ涙を流していた。

 「君みたいな症状のある子は学校にたくさんいるよ。だから何も心配しなくていい」。そう言ってくれたのは現地校の校長先生だ。こちらが心配事を伝えると、笑顔で「大丈夫、大丈夫」。楽観的で、おおらかに接してくれる現地校の雰囲気が長男には合ったのかもしれない。

 今は「早く明日にならないかな」と学校が楽しくて仕方がない様子。これから行きつ戻りつするだろうけれど、私も長男の話が聞きたくて早く家に帰るようにしている。 (浅井俊典)