2022年10月13日
「米国にこんなにも似たような日本人家族がいるんだな」と実感した。ニューヨークから車で40分ほどのニュージャージー州ラムジー。のどかな住宅街にある単科大学は週末で休校だが、何百人もの日本人親子が集まっていた。
みんなの目的は「英検」。日本の主催団体が米国でも実施する年数回のテストに合わせ、親が仕事で米国に駐在している家庭などが、ニューヨーク近郊で貸し切り会場となった大学に詰めかけたというわけだ。わが家も、小中学生の子ども2人のために集まった1組。
子どもたちが受験している間、時間つぶしに大学の周りを散歩していると、地元の人に「これはどういう集まりなのか」と聞かれた。「日本人のための英語のテストみたいなものです」と答えると「みんな日曜日なのにご苦労なことだね」。
確かに、休日を家族ぐるみでテストに費やす集団というのは、勤勉とされる日本人らしい姿かも。散歩から戻ると、子どもを待つ親らの一部は駐車場のベンチでノートパソコンを開いて自身の仕事をしていた。実は、このコラムもそのかたわらで書いている…。 (杉藤貴浩)