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ワシントン 新学期の夜の学校で

2020年01月10日

 「『バック・トゥ・スクール・ナイト』があるから一緒に行こう」。9月のある日、妻から言われた。なんだそれ? 楽しい夜のイベント?

 違った。高1、中1のわが子が通う学校による、新学期(バック・トゥ・スクール)を迎えての父母集会だった。ただ、日本のPTAの集まりとはまるで異なっていた。

 夜7時開始で両親が参加できるよう配慮され、夫婦連れ立って参加している姿が目立つ。

 そこでは、自分の子どもと同じ時間割順で10分ごとに各教室を回り、子どもがどんな学校生活を送るのかを疑似体験できる。待ち受けた教師たちは「私は○○の博士号を持っています」などと自己紹介し、授業内容や評価の基準などを説明する。

 教師は「何かあったらいつでも連絡を」と電話番号とメールアドレスを伝える。米国では評価に納得いかないときにアピールすれば、再テストや再評価をしてくれるという。逆に、何もしなければ損になる。

 知人の米国人教師によると、親からの電話はひっきりなしにかかってくると言い、「午後6時には電源を切ってしまう」のだとか…。(金杉貴雄)