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ソウル デモ文化の灯消えず

2023年01月13日

 一昨年から改装工事が続いたソウル中心部の光化門(クァンファムン)広場が、この夏完成した。朝鮮王朝時代の王宮「景福宮(キョンボックン)」から南へ延びる約4万平方メートルの空間に植え込みや噴水が整備され、おしゃれな憩いの空間になった。

 議論を呼んでいるのが、管理するソウル市の条例によってデモや集会が事実上禁止されたこと。光化門地区には政府庁舎や米国大使館などがあり、一帯で開かれる各種団体や労組のデモは日常的な風景だ。

 禁止の背景には、交通の妨げや騒音に対する市民の苦情があるという。本紙支局もこのエリアにあり、大規模集会が開かれる日はスピーカーの大音量に閉口する。

 とはいえ、光化門広場は朴槿恵(パククネ)元大統領を弾劾に追い込んだ「ろうそくデモ」など数々の歴史の舞台になってきた。政治色を排除しようとする規制は「らしくない」気がする。これも時代の変化か…。

 と思いながら広場を歩くと、プラカードを携えて何やら政治的主張を唱える人の姿が。こうした「一人デモ」程度は、どうやら黙認されているようだ。光化門のデモ文化は、そう簡単になくなりそうにない。 (木下大資)