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ソウル 銀盤でも「早く早く」

2023年04月08日

 世界的な物価高騰が続く中、韓国でも外食やレジャーが軒並み値上がり。冬休みの家族サービスも厳しいと思っていたところで、韓国人の友人が「良い遊び場がある」と教えてくれた。

 ソウル中心部の市庁前広場で昨年12月下旬に開場した屋外スケート場。入場料とスケート靴のレンタル料込みで1000ウォン(約100円)と、懐に優しい。

 2004年度に市が開設して以来、冬の恒例となったが、新型コロナウイルス禍で20、21年度は中止された。今冬は3年ぶりに復活し、スケート初挑戦の娘たちを連れて、訪れた。

 レンタルのスケート靴は硬い樹脂製で壊れにくそうだが、履き心地は微妙だ。入場時に大人も子どもも全員がヘルメットを着用しなくてはならない。滑り出して、その理由が分かった。

 上級者も初心者もとにかくスピードを出す。わが子がおそるおそる滑る向こうで、韓国の子たちは転倒や衝突も恐れずに果敢に滑っていく。

 友人は「韓国人は『パリパリ』(早く早くの意)という言葉を好み、何でも急ぐ。スケートも全力で滑るから、上達も早いんだ」と誇った。銀盤に映る国民性を感じた。 (相坂穣)