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【岐阜】謎解き気分で街歩きを 岐阜・美殿町商店街が立面図マップ

ジャンル・エリア : まちおこし | 岐阜  2021年04月14日

美殿町商店街の立面図マップを紹介する鷲見さん(左)、中村さん=岐阜市美殿町で

美殿町商店街の立面図マップを紹介する鷲見さん(左)、中村さん=岐阜市美殿町で

 岐阜市中心部にある美殿(みとの)町商店街が、一風変わった立面図の街歩きマップを作った。上から見た一般的な地図ではなく、17本ある路地別に、建物を横から見たイラストが並ぶ。「ほかにない面白いマップを作ろう」との発想から生まれた地図はデザイン性とユーモアにあふれ、商店街振興組合の鷲見浩一理事長(61)は「謎を解くように、街歩きを楽しんでもらいたい」と語る。 (長屋文太)

 表紙を広げると、B2判の立面図が現れる。マップという割には、黒地に白抜きで建物の屋根や窓、ドアだけが描かれている。

 美殿町商店街は、柳ケ瀬商店街の東隣にある南北約300メートル、東西約200メートルの一帯にあり、マップには約70店の店名のみが添えられている。文字の色は、飲食店はピンク、物販店は緑、サービス業などは黄色に色分けされた。

 商店街は6年前、イラスト入りで街の魅力や店舗を紹介するマップを作った。今回、新店情報を加えて作り直すことになったが、商店主らで話し合うと「地図を持って歩く人を見たことがない」「今はスマートフォンで地図が見られる」との意見が出た。そこで、美殿町に事務所があるデザイナーの中村直永(なおひさ)さん(38)が立面図を提案した。

 「マップと実際の風景を見比べて散策してほしい」と中村さん。釣った魚を墨などで紙に転写する魚拓をヒントに、建物の写真を撮り、パソコンの描画ソフトで外観を描いた。「これから取り壊されるビルもあると思う。今の街の姿を残し、見てもらいたい。いわば『街拓』です」と話す。

手前から呉服店、古書店、手芸店、家具店が並んでいる通り

手前から呉服店、古書店、手芸店、家具店が並んでいる通り

 一部の商店主からは「もっと分かりやすい方がいいのでは」との意見もある。だが、多くの店が新たなマップを店頭に掲示するなど、街の一体感の創出にもつながっている。3万部を作り、店頭などでも配っている。

 鷲見理事長は「若い世代の出店が増えている。マップの感性に、びびっとくるような若いお客さんに来てほしい」と話している。


写真に対応している通りの立面図。建物の高さ、屋根や格子窓の形などを捉えている

写真に対応している通りの立面図。建物の高さ、屋根や格子窓の形などを捉えている