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【三重】絶滅危惧種のマメナシの白い花満開 伊勢・東大淀

ジャンル・エリア : 三重 | 自然 |   2022年04月15日

白い花をつけるマメナシ=伊勢市東大淀町で

白い花をつけるマメナシ=伊勢市東大淀町で

 東海地方のみに自生する絶滅危惧種のマメナシが、伊勢市東大淀町の田園で、満開の白い花を咲かせ、地元の人らの目を楽しませている。

 マメナシはバラ科の落葉高木。4月上旬ごろ、桜に似た直径2、3センチの白い花を咲かせ、6月ごろに薄茶の直径1センチほどの実をつける。県内では「イヌナシ」の名でも知られる。

 マメナシがあるのは、あたり一面に田んぼが広がる田園の中の地元町会が管理する一角。約40年前、町内の土地改良事業の際、田んぼ脇に自生していたマメナシ1本を移植し、東大淀土地改良区の7人が手入れしている。元理事長の北村安弘さん(70)は「本当は伐採するはずだったけど、新聞に『珍しい木がある』と載ってしまって切るに切れなくなった」と笑う。

 さらに、十数年前、農地や自然の保全のため町民らでつくる「東大淀を守る会」が親木から苗木を育て、近くに植樹。若木は計12本が4メートルほどに育ち、7メートルの親木に寄り添うように立つ。周辺の地面には、町民らが植えたシバザクラも濃いピンクの花を咲かせている。

 県自然環境保全指導員で同町在住の岡本忠佳さん(77)は「イヌナシは、希少なナシの原種。シバザクラと合わせてぜひ気軽に見にきて」と呼び掛ける。岡本さんによると、マメナシはあと数日、シバザクラは今月下旬までが見ごろ。場所は、南勢バイパスの東大淀交差点から北に約800メートル。(鈴木沙弥)