【本文】

  1. トップ
  2. お出かけニュース
  3. 【富山】超絶技巧 鉛筆アート 新潟のシロイさん 富山で初個展

【富山】超絶技巧 鉛筆アート 新潟のシロイさん 富山で初個展

ジャンル・エリア : 富山 | 展示 | 芸術  2022年05月16日

(上)シロイさんの制作実演に見入る来場者(下)制作に1カ月以上を要した、40個の鎖が連なった作品

(上)シロイさんの制作実演に見入る来場者(下)制作に1カ月以上を要した、40個の鎖が連なった作品

芯を彫り文字や造形物 表現

 鉛筆の芯を使って文字や造形物を表現する作家「鉛筆彫刻人 シロイ」さん=新潟県在住=が、県内初となる個展を富山市大手町の市民プラザで開いている。初期から最新までの65点が並び、超絶技巧の数々の作品が来場者を魅了している。シロイさんは「アートを生み出す道具(鉛筆)そのものがアートになる面白さを楽しんでほしい」と話す。29日まで。(平井剛)

 シロイさんは7年前に制作活動を始めた。鉛筆彫刻の日本の先駆者で知られる甲府市在住の作家山崎利幸さんの活動をテレビで知って、触発された。山崎さんがインターネットで公開している動画を何度も見て、独学で技を習得。シロイさんは「もともとプラモデル作りが好きで、手先は割と器用だった」と話す。

 漢字などの文字を彫る場合は直径4ミリ、複雑な造形物の場合は同6ミリの芯を使用。まず鉛筆先端の木の部分をナイフやカッターで削り、現れた芯を紙やすりで平面状に整える。ペンで下描きを施した後、慎重に彫り進めていく。「削れば削るほど、芯は折れやすくなる。最後の仕上げが一番難しい」とシロイさん。顕微鏡を見ながら進めるため、制作実演では「科学者みたい」と言われるという。

 個展では、シロイさんが最初に作ったアルファベット3文字の作品「LEE」や、制作に1カ月以上かかった40個の鎖が連なった作品、ツイッターで公開し大反響を呼んだ東京スカイツリーの作品などを紹介。来場者は虫眼鏡でじっくり鑑賞し、母親と訪れた富山市蜷川小学校2年の女児(7つ)は「すごくて、びっくりした」と話した。

(右)まさに「神ってる」作品(左)数字が数珠つなぎで彫られた作品=いずれも富山市大手町で

(右)まさに「神ってる」作品(左)数字が数珠つなぎで彫られた作品=いずれも富山市大手町で

 シロイさんは「運搬時の衝撃で芯が折れる恐れもあり、遠方での個展はなかなか開けない」と苦笑する。それでも「折れるか折れないかの不安定さを抱えながらも、形は維持している。『危ないな』『小さいな』と感じながら、見てもらえたらうれしい」と述べた。

 入場料は中学生以上1000円。28、29日はシロイさんの制作実演がある。(問)市民プラザ076(493)1313