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【福井】名所や恐竜を色彩豊かに えちぜん鉄道福井駅にステンドグラス

ジャンル・エリア : 工芸品 | 福井 | 芸術 | 鉄道  2023年03月22日

お披露目された「ジュラシックえちぜん」の前に立つ絹谷さん=福井市のえちぜん鉄道福井駅で

お披露目された「ジュラシックえちぜん」の前に立つ絹谷さん=福井市のえちぜん鉄道福井駅で

 福井市のえちぜん鉄道福井駅で、改札口横に設置する大型ステンドグラス作品が12日にお披露目された。駅の新たなシンボルとなる作品の名前は「ジュラシックえちぜん」。文化勲章受章者の画家・絹谷幸二(きぬたにこうじ)さんが、福井の名所や自然、恐竜を描いた。絹谷さんは「かつての戦争でも芸術文化の豊かな地に爆弾は落とさなかった」と話し、平和への願いを込めた。

 作品は縦2.8メートル、横7.1メートルで、全171色のアンティークグラス製。駅舎1階の自然光を取り込みにくい場所に設置されたため、後ろに発光ダイオード(LED)を取り付けた。

 原画は「アフレスコ」という人類最古の壁画技法を扱う画家の絹谷さんが監修し、約2カ月間かけて完成させた。県内で発掘されたフクイティタンやフクイベナートルをはじめとする12体の恐竜が描かれたほか、えちぜん鉄道の車両とアテンダント、大本山永平寺の唐門、丸岡城の天守閣、一乗谷朝倉氏遺跡の唐門、東尋坊、はぴりゅう、鯖江のめがねなど、県を代表する風物を色鮮やかに表現した。

 この原画をもとに、静岡県熱海市の「クレアーレ熱海ゆがわら工房」のステンドグラス職人7人が約6カ月間かけてステンドグラスを制作した。

 作品は、国内の駅や空港などに芸術作品を設置してきた「日本交通文化協会」が設置を提案した。同協会が日本宝くじ協会の助成を受けて企画・制作し、えちぜん鉄道に寄贈した。

 絹谷さんは「人が多く訪れる場所だから、駅に置かれるのはとてもうれしい。暮らしに色彩がないと多様性がなく息苦しい。豊かな色彩を見て、やわらかな人間の本来性を喜ばせてほしい」と願った。えちぜん鉄道の前田洋一社長は「とても迫力がある。新しい観光スポットになればうれしい」と話していた。(藤共生)