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【滋賀】色鉛筆で渓流の美 東近江の福永さん作品展

ジャンル・エリア : 展示 | 芸術 | 近畿  2023年06月13日

色鉛筆で描いた作品を前に来場を呼びかける福永さん

色鉛筆で描いた作品を前に来場を呼びかける福永さん

 東近江市新宮町のフライフィッシング愛好家、福永和明さん(66)の色鉛筆画展「釣人(つりびと)の心に刻まれた風景」が、近江八幡市多賀町のかわらミュージアムで開かれている。7月30日まで。

 展示作品の舞台は釣り仲間と訪れた岩手、秋田、長野の山奥の渓谷が中心。コバルトブルーの清流の輝き、大自然に溶け込む釣り人、木々の緑や岩場に差す光と影が映った水面などを描いた計28点が並ぶ。鮮やかな色から「水彩画でしょ」と言われることも多いというが、ドイツ製の色鉛筆で塗り重ねる独特の手法で描き上げた。

 フライフィッシングは20年ほど前、友人に誘われて始めた。当初は自身や友人が大物の魚などを釣った証しに、原寸大の木彫クラフトを作っていた。

 5年ほど前、雪が積もった県内の山道で転び、左肩を負傷した。木彫り作業は困難に。そこで釣りの現場で仲間と撮り合った写真をベースに絵を描いた。友人に贈ると、「これ、ええなあ」。本格的に色鉛筆画に取り組むきっかけになった。「肩をけがしなければ絵は描いてなかったかも。けがの功名。雨、いや雪降って地固まるですね」

秋田県の生保内川で友人が釣り上げた32センチのイワナを再現した木彫クラフト=いずれも近江八幡市多賀町のかわらミュージアムで

秋田県の生保内川で友人が釣り上げた32センチのイワナを再現した木彫クラフト=いずれも近江八幡市多賀町のかわらミュージアムで

 会社員時代、広告デザインに携わった。「光と影―そのコントラストが絵に深みとインパクトを与えている。人生と同じ」。それぞれの作品に添えるキャッチコピーや短文が絵の情景理解を助けてくれる。「色鉛筆画はまだ始まったばかり。これで老後の楽しみが増えた」と笑う。

 イワナやヤマメ、アマゴなどの木彫クラフト9点も会場を彩る。北海道で友人が釣った51センチのニジマスもリアルに再現した。

 6月は月曜休館。7月は3、10、11、18の各日が休み。ミュージアムの入館料(一般300円、小中学生200円)が必要。(松瀬晴行)