ジャンル・エリア : イベント | グルメ | 愛知 | 特産 2023年12月19日
一宮市の和菓子店を巡るスタンプラリー「尾州の和菓子巡り」が開かれている。尾張徳川家の茶の湯文化から発展したとされる一宮の和菓子。市内の新旧10店舗が参加し、日本茶だけでなく紅茶やコーヒーに合うこだわりの和菓子がそろう。肌寒い季節、温かいお茶には甘い物が欲しくなる。記者も巡ってみた。 (児島恵美)
1軒目は1878(明治11)年創業の「御菓子司津島屋桃陰」(同市本町通)。店内には明治44年に受章した博覧会の褒章状が飾られ、孫の代まで3代続けて通う常連さんも多いという。地元に根差した名前のお菓子が並び、老舗が伝える一宮の文化を感じられる。
真清田神社で毎年4月に開かれる例大祭にちなんだ「桃花おこし」(3個入り税込み450円)は、いったもち米を砕き、こしあんを包んだ半生タイプのおこし。大正時代から変わらぬ優しい甘さだ。「どまんなか」(216円)は一宮市が日本列島のちょうど中央に位置することに由来。無塩バターとメレンゲを使った皮は、長寿を意味する松のひび割れた木肌をイメージ。あんこには松の実が入っており食感も楽しめる。スタッフの後藤友紀子さん(46)は「神事から名前をいただいたお菓子。目と味覚で季節と一宮の文化を味わって」と話した。
2軒目は18年2月にオープンした「和菓子いちの」(同市末広)。名物のどら焼き「極み重ね」(216円)は、小麦粉や卵も愛知県産にこだわり、しっとりした生地には国産のつぶあんをたっぷり包んだ。最近発売したのは、自家製バタークリームにラムレーズンやチョコレートなどを合わせた洋風どら焼きの「バタどら」(281円)。バターのほのかな塩気があんことマッチしコーヒーにも合う。
店内には照明や棚、お菓子のパッケージに至るまで多くの「麻の葉」文様が使われている。成長が早い麻は子どもの成長を願う縁起物だ。スタッフの神前(こうざき)みな子さん(41)は「おいしかった食べ物の記憶は残り続ける。子どもたちの思い出に残るようなお菓子作りができれば」と話す。
スタンプラリーは市観光協会の主催。対象店舗の詳細は市役所などで配る冊子や、特設サイトで確認できる。対象店10店のうち4店を巡って応募すると、瀬戸焼セットや料亭菊水のペアお食事券などが35人に当たる。スタンプラリーとプレゼント応募は1月31日まで。