2008年08月22日
豊かになると、大きくなっても親に食わせてもらう輩(やから)が現れるものだ。人間だけではない。ベルリンではいつまでも親離れできないスズメを見かける。
この季節、街ではあちこちで屋外のカフェがにぎわい、スズメにとってもエサのおこぼれは豊富だ。ある時、一羽を二、三羽で追い回すのを見た。降りたところを見ると、地面のパンくずをつついているのは一羽。他は羽を震わせながら口を開け、エサを放り込んでくれるのを待っている。
自然界なら巣立ったその日から自立を迫られるはず。だが、親と同じ大きさになってもエサを親にねだる。なまじエサが豊富な分、自立が妨げられているのかもしれない。
しばらくして、わが子をしかる親スズメに出くわした。激しく鳴いて羽で子をはたき落とし、そのスキに飛び去った。ベルリンのスズメも最後はたたき出されて自立するようだ。
(三浦耕喜)