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カラカス 民にごますりやめて

2009年04月03日

 市街地の高層ビルを見下ろすように、山の斜面に無数のランチョ(貧民街)がはびこる。盆地に広がる南米ベネズエラの首都カラカス。「すり鉢」の底と斜面の対照に、しばし言葉を奪われた。

 「最近は暮らしも犯罪も悪化する一方。時計を出せといわれ、拒めば即ズドンだ」。露天商のアルフレドさん(45)が嘆いた。膨大なオイルマネーの恩恵はどこへやら、なかなか解消されない貧困・格差と治安の悪さに、市民の不安は募る。警察力の低下や麻薬のまん延が後押しし、10万人当たりの殺人件数は130件に。米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」は、カラカスを世界一の「殺人多発都市」と位置付けた。

 チャベス政権の「反米」姿勢は、国内問題から目を移させる方便との指摘も多い。「チャベスを支持してきたが現状はひどすぎる」とアルフレドさん。5割以上といわれる低所得者層の気持ちがどこへ向かうのか。内なる変化から、目が離せない。 (加藤美喜)

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