2009年05月22日
この街でやたらに多い坂道の途中で警察官が停車を指示した。出張先のロシア極東・ウラジオストクでタクシーに乗った時のこと。運転手は「またか」とにやにやしながら免許証などを提示した。型通りのチェックを終えた警察官、突然、興味津々の表情で矢継ぎ早に質問してきた。
「走り具合は?」「燃費はどうか」。タクシーは人気の日本製ハイブリッド車。警察官に止められ、車について質問されることがよくあるという。
ウラジオは日本製中古車の輸入拠点で、市内の車の大半は日本車。地元の人はその最新事情に詳しく、人気車が走るとたちまち注目を集める。
「この車、今買うといくらか」と最後に質問した警察官、答えを聞いて顔を曇らせた。輸入中古車は関税上げとルーブル下落で価格急騰。売れ行きは激減した。それでも運転手は「死にたくないからロシア車には乗らない」と言う。
(中島健二)