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台北 民の利益守るはずが

2009年06月25日

 台湾の男性外交官がペンネームを使ってブログ上で台湾を「お化け島」などと侮辱した一件には、この島に住む者として腹立たしさが募るばかりだ。

 外交官は自らを「(戦後に中国から渡ってきた)高級な外省人」と称し「(国民党独裁時代に1987年まで続いた戒厳令は)徳政だった」と指摘。「武力で台湾を制した後も精神を改造して鎮圧せねばならない」と断言した。

 さらに「台湾は国ではない」「台湾に外交はない」「お化け島の問題はばかのせいで永遠に決まらない」と台湾、そして台湾の人たちに言葉のナイフを突きつけた。結局謝罪はしたが、ブログに書き込んだ内容に対してではなく「社会を騒がせたこと」に対してという。開いた口がふさがらない。

 この問題を国会で追及した民進党の立法委員(国会議員)は、怒りで涙が止まらなかった。差別的な思考が、この外交官に限ってのものであることを切に願う。

 (栗田秀之)