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ベルリン 統一浸透か 壁風化か

2009年06月24日

 壁崩壊から20年を迎えるベルリンで先ごろ、同市名誉市民のゴルバチョフ元ソ連大統領(78)とゲンシャー元独外相(82)が、冷戦終結の象徴となったブランデンブルク門を歩いてくぐる記念行事があった。小雨の中、両氏は大勢の報道陣に囲まれながら壁の東側だった広場から西側へ歩いた。

 壁が崩れる直前、旧東独を訪れたゴルバチョフ氏は、民主化を求める市民から熱烈な「ゴルビーコール」を浴びた。今でも「歴史の恩人」として人気は根強い。

 だがこの日はちょっと違っていた。カメラに収めようと集まる市民や観光客らの中には、こちらを記者と知って「だれが来てるの」と質問してくる少女らも。いつも門の前で旧東独の軍服姿などでモデルになり、観光客相手に稼いでいる青年からは「おい、そこはオレが立つところだぜ」と横やりを入れられる始末。歴史は繰り返さない、なのか。

 (弓削雅人)