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モスクワ 分かった栄光への道

2009年09月25日

 「パニャートナ」

 先日、フィギュアスケート女子の浅田真央選手が、合宿中のモスクワで記者会見した際、最も印象深いロシア語としてこの言葉を挙げた。

 「分かった」の意で「分かった?」と尋ねるときにも使える。

 浅田選手はロシア人コーチとの練習で、しばしば「パニャートナ?」と問われ、「パニャートナ」と答えているそうだ。

 思えば、記者がロシアへ語学留学した際、真っ先に覚えたのもこの言葉だった。年若い女の先生の甲高い「パニャートナ?」は、今も忘れられない。教えが理解できないときは耳をふさぎたかったものだ。

 来年2月のバンクーバー冬季五輪で金メダルを目指す浅田選手。日本中の期待を背負い異国で練習する過酷さは想像を絶するが、耳をふさぐわけにはいかない。

 浅田選手とコーチが「パニャートナ」と声を交わすたび、栄冠が近づいているはずだ。 (酒井和人)