2009年11月10日
中国山西省太原で、適度に色あせ、年代を感じさせるすてきな仏像を見つけた。早速、店主と値段交渉。言い値の約半分、180元(1元は約13円)で折り合いが付いた。
上海へ戻る空港の荷物検査で、新聞紙に何重にもくるまれた仏像が引っ掛かった。「仏だよ、仏」と合掌すると、係員は納得した。
この仏像。上海でなら値は3倍以上だろうと思う。昨年の山西省の1人当たり域内総生産(GDP)は約2万元で、上海の約28%。改革開放の恩恵を受けた沿海部と、内陸ではかくも差がある。
太原で、テレビ番組を見たという男性から「日本は美しいね」と声をかけられた。東京への往復航空運賃を尋ねられ「最安で3000元ぐらい」と答えると押し黙った。
「北京まで新幹線が開通した。日本にもいずれ行けるさ」。前向きな姿勢が気持ち良い。経済成長が続く中国。彼はいずれ自分が恩恵を受ける日が来ると信じている。 (小坂井文彦)