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ネピドー したたか遷都の建前

2010年06月29日

 ミャンマー国軍記念日の取材が3年ぶりに外国メディアに許可され初めて首都ネピドーに入った。滑走路に転用できそうな8車線道路や生活臭がしない高層アパート群は、かつて訪れた北朝鮮の平壌をほうふつさせた。

 軍事政権が「王都」(ネピドーの意)への遷都を唐突に発表したのは2005年末。ところが、建設中の国会議事堂の現場責任者は「着工は02年です」と。言を信じれば、軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長は、民政移管準備も10年ほど前から進めてきたことになる。

 議長一族の寄付で昨春完成したウパタサンティ・パゴダ(仏塔)。ヤンゴンの聖地シュエダゴン・パゴダを模した高さ約100メートルの黄金の塔は権力の象徴。ただ高さは「本家」より1フィート(約30センチ)低い。

 遷都決定をめぐっては、議長が凝るという占星術説や古文書説も出た。だが、周到な準備や本家への“配慮”を見ると王都の「主」のしたたかな素顔も浮かんだ。 (林浩樹)

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