2010年09月06日
最近、支局関係の事務手続きでモスクワの公証役場にたびたび通っている。今に始まったことではないが、閉口するのがロシアの形式主義。書類をそろえたつもりでもわずかなミスでやり直しを求められる。
例えば、社名の頭に付ける「The」が、書類によっては「THE」だったため、「これは違う会社だ」と突っ返されてしまう。
中でも驚いたのは、手続きのミスを修正するため、日本円で100万以上もの大金を要求されたこと。結局、役場の責任者と交渉し、事なきを得たが、責任者に確認した男性の担当者は「信じられない」とつぶやいた。
その担当者によると、不況の中、役場を挙げて収入増を命じられているのだとか。ノルマでもあるのか、大金を逃して最後まで残念そうだった。
こちこちの形式主義は社会主義時代の名残だと思っていたが、どうやら資本主義のあしき部分を取り入れたせいでもあるようだ。(酒井和人)