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台北 これで皆地元っ子?

2012年07月30日

 台北市内の路線バス停留所に待ち時間の電光表示板が設置され始めた。「1、5分、3站」という具合。バス待ちの人に聞くと「便利ですよ。これは一番路線のバスは5分後到着、あと三駅という意味です」という。確かに5分ほどで待っていたバスが来た。これはいい。

 東京で「地下鉄を乗りこなせれば立派な東京人」というが、台北では「公車」と呼ぶ路線バスが物差しだ。なにしろ路線数が多い。市交通局によると「市内は472路線。市外からの乗り入れを含めると、さて何本か…」。路線表示は数字で示され、900番台のバスもあるから、路線はかなりの数だ。

 それを、台北人はよく知っている。例えば「AからBに行くなら202番に乗ってCで降りて、69番に乗ればいい」という具合。1つのバス停に何本もの路線が通り、しかも手をあげないと止まってくれないこともある。気を付けないと乗りはぐれてしまう。おまけにバスはいつ来るのか時間が分からない。

 電光案内板はそんな心配を緩和する。路線バスの多くは専用道を走るから時間も正確。利用客も増えるだろう。ただ、この掲示板は3年前から設置が始まったというが、まだほんの一部だけ。400以上の路線全線で設置が終わるのはかなり遠い先になりそうだ。 (迫田勝敏)