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パリ EV思わぬブレーキ

2012年11月30日

 気が付けば電気自動車(EV)を珍しいと思わなくなっていた。昨年、パリ市などがレンタルEV「オートリブ」を事業化したときには、社会実験といった程度の印象だった。が、レンタルステーションは増え続け、いまや2000台近いEVが街を走り回っている。

 興味に駆られて、乗ってみた。道沿いにある電話ボックスのような場所で、まず契約の手続き。テレビ電話でのやりとりは難しかったが、助手のおかげで難なくクリアした。選んだ1年コースは年会費144ユーロ(約1万5000円)。別に、30分借りるごとに5ユーロかかるが、レンタカーなどより安く何より環境にいい。

 運転は快適だった。きびきびした加速は市街地向きで、欧州で珍しいオートマチックもうれしい。が、返却時に問題が発生した。返却場所に空きがなく、返す場所を求めて30分以上走るはめに。出発前にチェックしなかったのがいけなかった。

 困難はさらに続く。日本でほとんどやっていなかった縦列駐車だ。何度か切り返して成功したが、今後も利用のたびに強いられるとなれば少し気が重い。パリの人は見事な「縦列」の腕前か、後方に長い車列ができても動じない心の強さのどちらかを持っている。両方ない者としては、しばらく緊張のドライブが続くことを覚悟している。(野村悦芳)

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