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サンパウロ 極貧流 何とかなるさ

2014年12月05日

 ブラジル大統領選の取材で訪れた最大都市サンパウロ。ある思惑を胸に、中心部にある大通りの交差点に向かった。

 世界最悪の貧富格差を抱えるブラジル。日本の生活保護のような扶助金「ボルサ・ファミリア」を受け取っている人に話を聞きたかった。スラム街に立ち入るのは危険らしい。考え付いたのがここだった。

 「窓を掃除するよ」。ルイス・カルロスさん(29)が、ペットボトルに入れた水と取っ手のついたスポンジを手に、信号待ちの車列に声をかけていた。応じる人はいない。

 郊外のスラム街に妻、娘3人の5人暮らし。1日の稼ぎは多くて20レアル(約900円)。毎日、その4分の1を使ってこの“職場”に通う。「ボルサ・ファミリア? もらってないよ。申請の手続きを頼む金が無いんだ」。予想外の答えだった。

 3000万人以上が貧困を脱したという政府の支援も、極貧層には届かない。どうやって生計を立てるのか。「12年も続けていると、顔見知りになった人が食べ物や服をくれるのさ」。屈託ない笑顔を見せたカルロスさんの楽観ぶりもまた、想像を超えていた。(北島忠輔)

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