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米クーパーズタウン 日常に潜む力の源泉

2015年01月09日

 世界のどこかの都市を標的に「核の抑止力」というにらみを利かせる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射管制基地は、どう見ても質素な人たちが暮らす小さな平屋建ての民家だった。米ノースダコタ州クーパーズタウンから車で5分。牧草地の真ん中にポツンと立つ。

 中に入ると立派なソファがあるリビングルームやベッドルームがある。木目調家具が美しいキッチンには日本製の電子レンジまで置いてあった。だが、エレベーターで地下に降りると様子は一変、核シェルターの内部に管制室が整備されていた。

 核軍縮で廃棄されたこの基地は州の歴史遺産として残され、誰でも見学できる。外観で何となく軍事施設と分かるのは、不釣り合いなほど高い鉄柵と幾つかのアンテナがあることぐらいだ。「恐ろしいシステムがこんなに小さいなんて、どう理解したらいいのか」と、デラウェア州から訪れたショーン・ディシャロンさん(48)は話した。

 州内に点在する地下施設には今もミサイル150発が配備中だ。米国の超大国としてのパワーの源泉があまりにも日常的な顔をしていることに、逆に背筋が寒くなった。 (斉場保伸)

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