2020年01月14日
サウジアラビアの石油施設が無人機に攻撃され、炎上したニュースを見て、だいぶ前だが、自宅から車で4時間強かけて米空軍基地関連施設を訪問したことを思い出した。
厳重な身体検査の後、入場を許されたバラックのような無人機の操作室内部には、いくつかのスクリーンを前に兵士2人が座っていた。画面の1つには道路上の車が映っていた。1人が距離やスピードなどを計算。計算が終わると、隣の1人がボタンを押す。模擬訓練だったが、実戦なら、車にミサイルが当たり爆発、炎上するはずだ。
無人機が飛ぶのは高高度で、攻撃される側は、最初から最後までなにが起きたのか理解できない。攻撃の予兆がないのだ。攻撃場所や対象は当然、機密扱いだが、アフガニスタンでの使用などが知られている。
ミサイルを撃ち、任務を終えた兵士は、車で30分くらいの距離にあるラスベガスでビールを飲みながらばくちに興じることも可能だ。今回のサウジのケースは自爆型とされるが、空軍や中央情報局(CIA)の無人機は攻撃後、基地に帰還する。まさにゲームのようだと強く実感した。 (野口修司)