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ソウル ゆるキャラに人の輪

2015年06月12日

 日本を含むアジア6カ国の文化交流イベント「アジア マニア」が5月上旬までソウルで開かれた。各国のブースが並ぶ広い会場で、飛び抜けて人が多く集まっていたのは、日本の地方自治体などが物産品や観光情報を紹介する一角だった。

 集客に貢献したのは、日本の各自治体から派遣された「ゆるキャラ」たち。静岡県三島市の「みしまるくん」と「みしまるこちゃん」や、島根県の「しまねっこ」などの着ぐるみに、韓国人の女性や子どもたちが「かわいい」と駆け寄り、写真撮影に興じていた。和食の調理法を実演するブースにも、大勢の人だかりができていた。

 韓国メディアが安倍政権を批判しない日はないほどだが、対照的に、一般の韓国人の日本文化への好感度は高い。円安ウォン高で日本を訪れる観光客は激増。韓国内には居酒屋が次々と開店しブームになっている。

 「韓国の人たちの日常的な情報が日本に十分伝わっていないことが、日本人の視野を狭めているのではないか」。韓国に駐在する自治体職員が、日本の嫌韓ムードを憂えて漏らしたひと言に、メディアの一員として考えさせられた。 (島崎諭生)