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リオデジャネイロ 真の「五輪遺産」とは

2016年06月30日

 未来へ受け継ぐ財産となるはずの道が、もろくも断たれていた。五輪の開幕を控えたリオデジャネイロ。一月に開通したばかりの自転車専用道が崩落して二人が死亡する事故が起きたと聞き、現場に向かった。

 海岸沿いの道路から海側にせり出すように続く道は、頼りなくも見えた。開幕に間に合わせるため突貫工事の道路や五輪関連の施設があると聞くと、そっちは大丈夫かと心配になる。

 驚いたのは事故の直後、砂浜に並べられた二つの遺体のすぐそばで、子どもたちがサッカーを続けていたと知った時だ。地元住民は「スラム街では放置された遺体は珍しくない。そういう環境ですさんでいく子どもたちの将来が心配だ」と話した。

 リオ五輪の取材をしていると「レガシー(遺産)」という言葉をよく耳にする。ビッグイベントの開催をてこに、未来に残す交通網や施設の整備を進めようという意味だ。それに比べ、スラム街対策は後回しになっている印象を受ける。

 各地の工事現場を眺めていると、考えずにはいられない。子どもたちの健全な成長こそ未来への遺産であり、今のリオに必要な道だ、と。 (北島忠輔)

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