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中国・山海関 歴史感じる海の石城

2016年10月26日

 渤海湾に面する河北省秦皇島市山海関。中国政府が2009年に北朝鮮との国境近くの遼寧虎山を東端と訂正するまで、万里の長城の東の起点とされた場所だ。かつて漢民族王朝は秦の始皇帝が築いた長城内側を「関内」、外側を「関外」とし、関外を中華の地とは区別。関外の異民族を「外人」と呼んだ。戦前には、旧満州国と中華民国の国境の地だった。

 南端は海に二十数メートルも突き出た石城「老竜頭」。石を積み上げて築かれたかつての要塞(ようさい)は遠目に眺めると、確かに竜の頭のようだ。明の時代に北方の騎馬民族が浅瀬を迂回(うかい)して攻め込んでくるのに備えて、海中にまで防壁を延ばしたのだという。外敵に対する漢民族の恐れと警戒ぶりが伝わってくる。

 訪れたのは、真夏の観光シーズン。観光バスが列をなし、当地の歴史を解説する地元のガイドさんが、大声を上げて客を集めていた。城壁の中に吸い込まれていく観光客の波には、かつて関外と称された東北地方の人々に加え、英語圏やロシア語圏の人々、日本人の私と、文字通りの「外国人」も。笑い声も聞こえる光景に、歴史の流れを感じた。 (城内康伸)

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