2017年02月15日
夜、バンコクの繁華街で1杯飲んだ帰り。タクシーの運転手に行き先を告げると、「300バーツ(約900円)だ」。初乗り35バーツのメーターでわが家まで走れば、通常は100バーツほど。「こんなぼったくりには乗れない」と別のタクシーを探した。
当地に赴任して4カ月余り。乗車拒否に遭うのも、すっかり慣れてしまった。乗車前に窓越しに「○○まで行ってくれますか?」とタイ語で頼んでも、首を振られるのはしばしばだ。
知人に聞けば、「渋滞している」「自分が行きたいところと反対方向だから」などと、乗車拒否の理由はいろいろらしい。
タイ人たちも不満を持っている。運輸省が昨年9月までの1年間に受け付けた公共交通機関に関する苦情約5万8000件のうち、約7割をタクシーが占めた。
「乗車拒否」「運転手の失礼な態度」「料金の不正請求」などで、同省の担当者は「車の登録番号や運転手の名前を通報して」と呼び掛けている。
もっとも、愛嬌(あいきょう)のある運転手に出会うことも多い。乗車中に「お元気ですか?」などと片言の日本語で話し掛けられると、ついついチップをはずみたくなってしまう。 (山上隆之)