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モスクワ 華やか女性デーの裏

2017年05月16日

 3月8日の国際女性デーはロシアでは祝日となっている。モスクワでも、いかつい男たちがプレゼントの花束を抱えて街をゆき、プーチン大統領はテレビの前の女性たちに優しいまなざしを向け、詩を朗読した。

 100年前のロシア革命は3月8日(当時の暦で2月23日)、当時の首都ペトログラード(現サンクトペテルブルク)での女性労働者を中心にしたデモから始まった。旧ソ連圏では女性の権利向上のため、国際女性デーが祝われてきた。

 現在、政治的な趣旨は薄れたが、女性を祝い、感謝する日として伝統が残る。あらためて気持ちを伝える日があるのはいいことだとは思う。

 ただ、ロシアで女性が慈しまれてばかりかというと、そうではない。2月には夫婦間の問題に国家が踏み込むべきではないと、ドメスティックバイオレンス(DV)の罰則を軽減する改正法が成立。人権団体などからDVがさらに増えるのではと懸念する声が上がる。

 華やかな女性デーの裏に、復古的な家父長制に縛りつけようとする意図が隠れていないか。ロシアの女性たちは警戒すべきかもしれない。 (栗田晃)

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