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【石川】命の輝き 色彩豊かに 能登町・中谷家住宅で版画・陶器展

ジャンル・エリア : 展示 | 石川 | 芸術  2018年09月18日

「命の輝きを作品に込めた」と来場を呼び掛ける江崎満さん=能登町黒川の中谷家住宅で

「命の輝きを作品に込めた」と来場を呼び掛ける江崎満さん=能登町黒川の中谷家住宅で

江崎さん 創作の原点は亡き長男

 輪島市三井町在住の版画家、江崎満さん(66)の作品展が、能登町黒川の県有形文化財「中谷家住宅」で開かれている。能登の里山の動植物を題材にした色鮮やかな木版画や陶器80点余りが並ぶ。24日まで。(加藤豊大)

 江崎さんは広島県の離島、江田島出身。重度の脳性まひがあった長男と過ごすうちに「光り輝くこの子の命を描きたい」と、29歳から独学で版画を始めた。34歳で大学卒業後に暮らしていた横浜市から輪島市に移住。長男は5年後に9歳で亡くなった。その後も創作活動を続けようと、山あいの集落で農業や釣りをして半自給自足生活を送っている。

 版画はネコやイカ、タンポポなど身近な動植物を題材に、多色刷りや水彩絵の具で加筆する手法で色彩豊かに描いた。ヒラメやタチウオといった魚をかたどり、ひれまで細かく表現した食器作品も目を引く。江崎さんは「身の回りの動植物は当たり前の存在ではなく、立ち止まって見れば一つ一つが宇宙の中心のように美しい。命の輝きを作品に込めた」と話す。

 午前10時~午後5時で、入場無料。(問)中谷家住宅0768(76)1551