2009年07月09日
ある日本人作家の韓国での出版などを記念したサイン会が、ソウルの大型書店で開かれた。日本から持ってきた本にサインをもらおうと出掛けたら、開会前から多くの若者が列をつくっていた。
彼の代表作は東京の真ん中にある日比谷公園が舞台で、何かが起こりそうで起こらない日常を描く。東京で暮らす地方出身者やブルーカラーの若者の心の描写がうまい。韓国でも村上春樹氏を筆頭に日本人作家の名は一般の人に知られ、人気も高い。しかし、彼の知名度は測れなかったので、予想以上の人数を目にしてうれしくなった。
列の前方で談笑する若い女性二人の会話が耳に入ってきた。「この間、日本語の先生がね…」。どうも日本語を習っている学生らしい。日本語版を手にして順番を待つ若者も少なくなかった。
作家は写真撮影の求めにも快く丁寧に応じていた。人気が続きますように。 (築山英司)