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ニューヨーク 痛恨のエラーで退場

2012年10月26日

 米大リーグ、ヤンキースに移籍したイチロー選手の試合を観戦した。古巣のマリナーズをニューヨークの本拠地ヤンキースタジアムに迎え、かつてのチームメートと対戦した初ゲームだ。

 仕事が終わって駆けつけて、6回の途中に入場。ホットドッグと生ビールを買い、気合を入れて右翼スタンドに座った。が、この日のイチローは左翼で出場。広い外野の向こう側に、豆粒ほどのイチローが立っていた。

 試合はヤンキースがリードし、日本人ファンの声援も飛んでいる。7回の攻守の前に「終盤の前にちょっと一服」とスタジアムの外に出た。これが「失策」の始まりだった。

 恥ずかしながら球場から一度出たら再入場できないことを知らなかった。ゲートの係員に「お願い」「頼む」「どうしてもダメ?」-と粘ってみたがダメなものはダメ。あきらめてベンチに座り、場内から漏れてくる歓声を聞いていた。

 「ワーッ」とか「ウォーッ」とか盛り上がっているが何が起きているのか分からない。そのうち観客が退場してきた。ヤンキースが勝って興奮している。背番号31。「ICHIRO」のシャツを着ているファンも多い。「自打球」で球場から閉め出された記者とは違い、イチローはニューヨーカーに温かく受け入れられたようだ。 

(青柳知敏)