2016年04月13日
中国で契約している携帯電話には、貸金業者や保険業者から頻繁に、勧誘の電話がかかってくる。多い時には1日に5~6回。中国の知人によると、業者が無作為に番号を打ち込むケースのほかに、番号が流出しているケースもあるという。
ほとんどの勧誘電話に共通しているのは、こちらの都合などお構いなしに、電話がつながると、勧誘マニュアルを棒読みしていることだ。あまりの早口に断るタイミングを逃してしまいそうな時さえある。
原稿執筆に追われている夕暮れ時、いつものように一方的にまくしたてる電話が飛び込んできた。女性が「優待服務」がどうのこうのと、今度もまた保険勧誘のよう。
「外国人なので聞き取れない。すいません」。丁重に断りを入れたつもりが、受話器の向こうの女性は突然、逆ギレした。「あんた、しらじらしいうそをつかないで! ちゃんと話しているじゃない。何が外国人よ」
虫の居所が悪かったのか、女性は激しくまくしたてた。たいそう非礼な電話。なのに、中国語能力を認められたような気にもなり、正直なところ、少しうれしかった。 (城内康伸)