2016年06月07日
日ごろよく働いてくれる支局のエジプト人スタッフに感謝し食事会を計画した。要望は手作りの日本の料理。日本風カレーライスを振る舞うことにした。
最初の問題はカレーのルー。自宅に保管してあるルーは豚肉エキス入りだから、イスラム教徒は口にできない。そこで、カレー粉とバター、小麦粉でルー作りから始めた。
次の問題は牛肉。エジプトの牛肉は日本よりずっと硬い。ルーを入れる前に数日かけて煮込むことにした。
そして、肉を煮込んだ鍋にルーを投入。しかし、ひと味足りない。ケチャップやしょうゆ、チキンスープのもとなどを加えて味を調整した。
エジプトの家庭では、男が料理をするのは珍しい。支局のキッチンに立つたびに女性スタッフにニヤニヤと見られながら、何とか完成にこぎ着けた。
当然、気になるのは反応だ。スタッフは口々に「おいしい」と言ってくれたが、作ったカレーの半分以上は残っていた。
報われぬ努力にもきっと何か意味はあるだろうが、次の食事会の際にはエジプト料理の出前を頼むと固く心に決めた。(中村禎一郎)