2019年02月12日
自宅のある首都近郊のベセスダで、同世代(40代)の友人宅を訪れた時のこと。ライトやオーナメントで彩られたクリスマスツリーより、居間の小机に並べられた飾りに目が行った。
雪を模した白い綿の上に、ミニチュアハウスが9つ並んでいる。三角屋根をした一軒一軒の中にはライトがともり、温かな雰囲気を醸す。小机の上はまるで雪の降る町のようだった。
「結婚してから夫が毎年1つ、クリスマスプレゼントに贈ってくれているの」。奥さんがうれしそうに由来を教えてくれた。歳月を重ねるごとに町が広がっていく。「私たち家族の歴史だわ」。柔らかな表情に、私たちの心もほっこりとした。
別の友人は暖炉わきに各地のクリスマスマーケットで買った小物を並べている。聖書の一場面を人形で再現する人も。多くの家庭で年明けも装飾が続く。
わが家は去年から、オーナメントを買い始めた。15センチほどのくるみ割り人形だ。長女(13)が昨年来、ワシントン・バレエ団の公演「くるみ割り人形」に出演していることにちなんだ。今年もまた1つ。娘が結婚するまで買い続けようと、父は勝手に思っている。 (石川智規)