2019年04月05日
上海市内の日本料理店で、四合瓶の純米大吟醸酒が800元(約1万3000円)で提供されており、目が飛び出た。インターネットで調べると、同じ酒が日本では1800円で買えると知り、今度はため息が出た。
中国人店主によると、店の客の7割が中国人。高額の酒を飲むのはもっぱら金持ちの中国人だという。「中国人のお客さんには、大吟醸とそれ以外の違いなんて、ほとんど分からない」と本音をポロリ。ではどうして高い酒を選ぶのか。「中国のお金持ちはメンツが大事だから」
中国でも手ごろな値段の日本酒飲み放題はあるが、多くは中国産の日本酒。飲んだ翌日、頭が痛くなったことも一度や二度ではない。中国の日本酒文化は両極化の感がある。
日本酒が中国に定着してほしいと願う者として、お願いが2つある。まずは40%という高い輸入関税を下げてください。これは中国政府へのお願い。
もう1つ、訪日する中国人旅行客の皆さんに。日本には大吟醸以外にもおいしい酒がたくさんあることを自分の舌で確かめ、中国の飲食店や流通業者にそういう酒を扱うよう圧力をかけてください。 (浅井正智)