2019年09月04日
某地方政府の幹部に昼食会に招かれ、ほかの邦人記者と一緒に参加すると、昼間からいきなり度数の強い中国の焼酎、白酒(バイジュウ)の一気飲みが始まった。
中国では、宴席を通じて相手と人間関係をつくることが重要だ。ただ招かれても記事の内容に影響するわけではない。
幹部いわく、「相手が中国人の接待では白酒は禁止されているが、外国のお客さんとなら問題ありません」。私が「それは規則ですか?」と聞くと、幹部は「規則です」と言い切った。
その瞬間、しばらく前に別の地方政府幹部が邦人記者たちを招いてくれた宴会を思い出した。先方はケースで十本以上の白酒を持ち込んできた。
何回一気飲みをさせられたか。某社の女性記者は泥酔して椅子から転げ落ち、尾てい骨を強打した。私の記憶は最初の一時間で途切れている。そもそも飲み切れる本数ではなかったから、かなりの白酒が手つかずのまま残ったはずだ。
私たちは、習近平(しゅうきんぺい)政権の「ぜいたく禁止令」をすり抜けるためのダシとして、まんまと使われてしまったようだ。そして余った白酒の行方は…。推して知るべしである。
(浅井正智)