2009年04月17日
アルジェ空港の国内線ロビーで、黒ずくめの中国人の男たちはかなり異様だった。一見して粗末な仕立てのスーツの下は、薄汚れた黒いセーター。そのうち床でカード遊びを始める者もいた。
豊富な天然資源で潤うアルジェリアでは、日本企業連合も参加する東西1200キロの高速道路建設をはじめ、建設ブームが続く。中国企業も多数上陸し、高速道路建設には7000人の中国人労働者が従事しているという。
政府との契約では、外国人一人に対し、少なくとも2人は地元の人を雇わなければならないはずだが、現場によっては中国人ばかりの所もあるという。中国企業は作業の効率を上げるため、地元の人には給料だけ渡し、自宅待機させているともうわさされる。
昨秋には、あまりの待遇の悪さに中国人労働者がアルジェの中国大使館までデモ行進をしたと地元紙に報じられた。なりふり構わずアフリカへ進出する中国の素顔を見た気がした。 (浜口武司)