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ソウル 世論調査の落とし穴

2010年09月18日

 4年ぶりの韓国統一地方選は、事前の予想に反して与党が大敗した。韓国紙の世論調査は保革関係なく与党勝利を予想。世論調査を土台に準備していただけに、当日は冷や汗をかいた。

 選挙後に周囲の友人に聞くと、世論調査の悪い評判が噴出した。「電話をとると自動音声で質問してきた」「調査は固定電話が対象で昼間がほとんど。若者や会社員の声は反映されにくい」-。中でも数年前に面接調査アルバイトをした女性の話に驚いた。「一軒一軒訪ねて意見を聞く際、名前を書いてもらった」。これでは政治的な質問に本音で答えにくい。

 だが、地上波3大テレビ局による初の共同出口調査はかなり正確だった。無記名記入方式が最大の「勝因」とされる。

 「民心の恐ろしさを悟った」とは、薄氷の勝利を収めた市長の弁だ。世論調査に頼る失敗を今回限りの教訓としたい。    (築山英司)