2010年10月11日
映画では化石のティラノサウルスなど、博物館の展示物が夜になると暴れだすのだが、果たして-。
「ナイト・アット・ザ・ミュージアム」。ヒット作の舞台となったニューヨークの自然史博物館は夏休み中、親子で一晩泊まり込める企画を実施している。イベント名も映画のタイトル通り。
昼間とは一転した夜の不気味な静けさが映画のモチーフなのだが、当夜は人気企画だけあって数百人が参加。恐竜化石の展示フロアは照明が落とされ、懐中電灯で「探検」するが、恐竜たちは人込みに気おされたように固まっている。
寝袋をシロナガスクジラの実物大模型の下に敷き、消灯後も闇に浮かぶ巨体が動かないか目を凝らしたが、周りの寝息とともにまぶたが重くなってきた。
翌朝、息子と2人で人けのない恐竜化石フロアに戻った。白い光の中で際立つ骨格化石の黒さ。動きはないが、早朝の博物館の荘厳さは映画のシーン通りだった。(阿部伸哉)