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ベルリン 期待値に苦しみます

2012年01月05日

 小欄に、米国からクリスマスツリーの話題が届いたが、ドイツでも、一般家庭のツリーは生木が人気だ。

 毎年新しく購入するため、ツリー市で枝ぶりのよいものを選ぶ父親の姿をよく見かける。ベルリンでは、クリスマスの後、年明けに清掃公社が無料回収するため、道路脇に「使用済みツリー」がごろごろしているのが風物詩になっている。

 そんなドイツで「5人に1人が、クリスマスツリーを飾るのをあきらめた」という雑誌のアンケート結果がニュースとして流れた。日本人からすると、「5人に4人は、しっかり飾るのだ」と思えるが、クリスマスにツリーが欠かせないこの国では大ごとだ。

 アンケート結果によると、飾るのをやめた人は、回答者2000人のうちの20.8%。一人暮らしに限ってみると、48.2%と半数近くが「ツリーなし派」。ベルリンに住む知人の大学生は「家族で過ごすクリスマスが一般的なドイツ。一人暮らしでは、サンタがプレゼントを置いてくれる“期待値”が低いから」と、夢がない。

 わが家は今年も生木に挑戦するのは断念。地下室からいつものツリーが登場した。これで、ドイツ人の「5人に4人」に仲間入りしたが、家族のプレゼントへの“期待値”の方は、過大に高まらないようサンタにお願いした。(弓削雅人)