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ベルリン 悲劇思う19日の味は

2019年02月01日

 チョコレート専門店で買った「アドベントカレンダー」にハマっている。アドベントとはキリスト降誕を待ち望む期間。12月1日から24日まで毎日1粒ずつ「きょうは何味かな」とちょっとワクワクする。

 アドベントカレンダーはチョコに限らず、子供向けのおもちゃ、女性向けのコスメ用品など多種多様だ。数字が振られた窓を一つずつ開けながらクリスマスを迎える。

 クリスマスマーケットでは、街の華やぎが増し、多くの人々でにぎわう。だが、ドイツと国境を接しているフランス東部ストラスブールで11日夜に銃乱射テロが起き、ドイツでも再び不安が広がっている。

 ベルリンでは2年前の19日、市中心部のクリスマスマーケットにトラックが突入し、12人が犠牲になった。会場周辺は物々しい車止めのバリケードで囲まれ、巡回する警官が不審者に目を光らせていた。

 犠牲者の名前が刻まれた教会の石階段には、手向けられた花やキャンドルが。ワインを飲んでいた男性は「ドイツでも、またテロが起きるかもしれない」と表情を曇らせた。チョコの包みを開けながら、平和なクリスマスを祈っている。 (近藤晶)