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サンフランシスコ 他人のスリッパは嫌

2013年09月24日

 わが家では、日本式に靴を脱いで室内に入るようにしている。来客には日本から持ってきたスリッパを用意してあるが、その利用率が低いので気になっている。

 男性の場合は「自分の足がスリッパより大きい」と言って、履かずに入って来る人が多い。女性は逆に「スリッパが大きく、転ぶといけない」という言い訳が多い。言い訳はせずにスリッパを見るなり、「ま、いいや」と小声で言って履かずに入って来る。

 日本のように公共の場所でスリッパに履き替える機会は、こちらでは皆無。履物を他人と共用した経験はないだろう。もしかすると、スリッパを履くことは、他人の靴を履くようなもので、気持ちが悪いのだろうか。

 そこで、日本滞在の経験がある米国人男性に尋ねてみた。「他人が履いたスリッパを履くことに抵抗はありますか?」。男性は「自分なら履けるが・・・」と答えた。日本人の私に気を使ってくれたのだろうが、「人が履いたスリッパはいやだ」という表現を避けているように感じた。

 いろいろな店でスリッパを探したが、内側が人造毛皮のような作り。雑巾で拭けばきれいになるビニール製のものは見つからなかった。やはりスリッパは共用しにくいのだろうか。もう少し当地の習慣を探ってみようと思う。 (岡田幹夫)