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サンフランシスコ ワサビ人気に違和感

2018年09月12日

 スーパーの総菜部で売っているパック入りのすしを食べた。そのワサビの辛いの何のって。何かの香辛料が追加されているのだろうか。この方がよく売れるのだろうか。

 米カリフォルニア州内の製造元のもので、広く流通している銘柄だが、ワサビの緑色というより、からしの黄色に近い。

 すしが普通に消費されるようになった最近、人々の関心はワサビに向いているふしがある。店名に「ワサビ」を織り込んだ料理店が多くなってきた。サンフランシスコの電話帳を見ると「ワサビ・ロックンロール・スシ」なる店も。

 日本料理店を経営して数十年という知人に聞いてみた。客の一部はてんぷら、とんかつ、何にでもワサビをつけるとか。いなりずしにつける人もいるが「すしの類いだから、まっ、いいか」と、慣れた様子。中には「みそ汁にワサビなんて、訳の分からないこと」をする客も。

 しかし、仲間内の会話で「何をされても頭にこないようにしよう」と、冷静を保っているらしい。せっかく味を調整して出したものにワサビを放り込まれたら、「ムッ」とするかもしれない。 (岡田幹夫)