2015年01月30日
「雨傘」は健在だった。
行政長官の「真の普通選挙」を求めた学生らが昨年、79日間にわたって道路を占拠した香港。元日に再訪すると、占拠された道路を何事もなかったように車がビュンビュンと走り抜けていた。
ぎっしりとテントが並んでいたころとのギャップに、何だか切ない気持ちにもなったが、香港政府庁舎そばの公園に行ってみると、地面いっぱいにチョークで雨傘が描かれていた。
大みそかの夜から元旦にかけ集会を開いた学生らが描いたらしい。昨年末、女子学生(14)がチョークで壁に花を描いただけで拘束されたことへの怒りが集会へと駆り立てた。参加した男子学生(19)は「チョークで絵を描いただけで拘束するなんて許せない。ぼくらは目覚めたばかり。(占拠の)運動は続いている」と力強く話した。
この公園以外でも、大みそかのカウントダウンの中、運動の象徴となった黄色の雨傘が広げられるなどしたという。学生リーダーたちも、挫折感にさいなまれているかと思いきや、メディアに登場、積極的に発言していた。「抵抗」は全く終わっていない。 (佐藤大)