2015年04月20日
リゾートホテルやナイトクラブが並ぶ米フロリダ州マイアミのオーシャン・ドライブを走行中、同乗していた取材相手が教えてくれた。
「今年に入って、この街に新たな色が加わったんだ」。そう言って彼が指さしたのは「レインボーフラッグ」。同性愛者らの社会運動を象徴する虹色の旗だった。
フロリダ州では昨年の裁判所の判決を受けて、今年1月から同性婚を容認。ゲイやレズビアンのカップルが次々に婚姻届を出し、結婚式を挙げている。
この時を待っていたのはブライダル業界だ。同性愛者向けの結婚式プランを掲げたホテルの担当者は「他州から移住してくるカップルも多く、大きな商機だ」と鼻息が荒い。
ある研究によると、今年から3年間に2万4000組以上の同性カップルがフロリダで結婚し、220億円の経済効果が見込まれるという。
年間1億人を超える観光客が訪れるフロリダ州。中南米からの移民や高齢者の移住で、州の人口は昨年、ニューヨーク州を抜いて全米3位となった。混然一体としながら進化を続けるフロリダに、「虹色」が新たな彩りを添える。 (北島忠輔)